体験

こないだ、エステというものを初体験した。

今の仕事を始めてから(かれこれ6年目)あたしは10kgくらい太ってしまい、自分の力だけじゃ、もうどうしようもない状態になってしまったのだ。つうか、言い訳をするようだが、この仕事はとてつもなく痩せるかどうしようもなく太るかどっちかのような気がする。その後者があたしだ。

仕事が不規則で、運動しない。ものすごく適当な食生活。“ろくなものを食べない”ではなく、“ろくでもないものばかり食う”が正解。まあそんな塵も積もりまくって今の体型になってしまったわけだ。

それを踏まえて『痩身』という日記を書いたが、来年早々28になるあたしごときの代謝能力ではもう微動だにしない体重計。いやん。というわけで、友人と一緒にエステに体験申し込みの電話をかけてみたのだ。もちろん、微力ながらビール酵母(粒タイプ)も飲んでるし、協栄ジムのハイパワー減量スーツを着てジムにも行っている。まだ3回だけど。

雑誌の広告で「1回でウエスト-5.6cm!」とか書いてある某エステは、“切らない脂肪吸引”的強力マッシーンにより、脂肪の悪玉ことセルライトをゴキゴキと柔らかく、燃えやすくするらしい。しかも、職場から1分の場所。近い。

で、行った。

結論、いろんな意味で息を飲んだ。

エステって気持ちいいもんだと勝手にイメージしてたが、痛かった。暖かいオイルで足をマッサージされた時、汗より先に涙が出た。そんなにあたしのリンパは滞ってるのか。ぎゃあ。そして、『ツインピークス』の死体ばりにビニールでくるまれたあたしの腹につけられた腹筋何百回か分に相当する電気ビリビリマッシーンも「ふええええええええええええええええええええええええええええええええ(以下、120回くり返し)」というくらいに刺激。エステは寝たら効果が半減すると言われたが、寝れるかこんな状態で。痛えんだよ。

とりあえず、足首、ふくらはぎ、太もも、ヒップ、ウエスト、といった具合に下からキッチりサイズを計り(もちろん体重と体脂肪も)、現在の自分のありえない数値を目にしただけでも行った甲斐があった(と思おう)。そして、優しい口調なのに有無を言わせないエステティシャンのおねえさんの一言「昔の体型に戻りたいんでしょ?」。これはどんなマッシーンよりも効く。

サイズ的にはもちろん「1回でウエスト-5.6cm!」なんてことはなく、微妙にお尻が2cmくらい縮み、足のむくみが取れ、体重が200g減った程度なのだが、体験エステはそこで終わらない。別室で今後についてトークだ。

もちろん、一緒に行った友達と“別室”。ここからはエステティシャンのおねえさんとの頭脳戦が続く。価格表を見せられ、微妙なダンピング合戦をかいくぐり、あたしは自分の財布の中身と心の中で相談しながら、“別室”の友人を思う。「あいつ、ガッツり契約してたらどうしよう」と。

ここで、読者は「そんなもん、断りゃいいだろう」と思われるに違いない。それは間違いだ。エステに体験しに行って断れるヤツはエステなんか必要無いからだ。みんな“痩せたい”という弱味があるからこそ、エステに行くのだから。ぶっちゃけ、こんな負け戦ありえない。絶対契約するに違いない。

結局あたしはお試しコース10回で45.000円というのにサイン(長考の結果、一番安くてほどほど効果がありそうだと判断)し、“別室”の友人を待つ。友人はまんまと30回12万円コースにサイン。そうだよ、しょうがないよ。最初に「80万」って言われれば12万は安いよ。つうか、やっぱ、あいつらの勝ちだよ、どう考えても。

というわけで、来週の月曜日からあたしのエステ通いもスタートなわけで、これで痩せなければあたしはもう生ける屍として、もう何もかも諦めて死んだように生きることにしよう。生きてるみたいに死んでるよりは霊能者に迷惑をかけないで済む。


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